広報ふくさき 令和2年(2020年)11月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- 差別ウイルスに負けない社会を  福崎小学校6年 たにぐち さら 最近、テレビや新聞などの記事で、新型コロナウイルスによる差別のニュースをよく目にします。私は今回、コロナウイルスによる感染かく大による不安からくる差別や、医りょう従事者の人たちに対しての差別について考えてみたいと思います。 コロナウイルスには、三つの感染症と言われる「病気」「不安」「差別」というものがあります。 第一の感染症は、病気そのものです。このウイルスは感染者との接触でうつることがわかっています。感染すると、風邪の症状や重症化して肺炎を引き起こすことがあります。 第二の感染症は、不安と恐れです。このウイルスは見えません。ワクチンや薬もまだ、開発されていません。わからないことが多いため、私たちは、強い不安や恐れを感じてふりまわされてしまうことがあります。それらは、私たちの心の中でふくらみ、冷静に物事を考え、判断する力を弱め、あっという間に人から人へ伝わってしまいます。一人一人が気をつけないと、悪い情報ばかりがどんどん大きくなってしまいます。 第三の感染症は、嫌悪や偏見、差別です。不安や恐れがあると、人間が、生きのびるためにウイルスや、ウイルス感染に関わる人などを自分から遠ざけようとしたり、差別したりしてしまいます。そして人と人との信頼関係や社会のつながりがこわされてしまいます。 私はなぜ、第三の感染症である嫌悪や偏見、差別が生まれるのか考えました。まず、見えない敵であるウイルスへの不安が生まれます。そして、特定の人などを見える敵だと勝手に思ってしまいます。すると、本当の敵の姿が分からなくなって、その特定の人を、偏見によって差別し、自分が少しでも安心できるという風に考えてしまうのです。特定の人、地域、職業などに対して「危険」「バイ菌」というように、決めつけることで、差別や偏見がおこってしまうと思います。 ○○病院は危ないらしいとか、マスクしていないなんてありえない、○○人だ、危ない、せきしているあの人、コロナかも、○○地区は危ない、医りょう従事者の子は登園しないでほしいなど、こういった偏見が広がっていくと、差別がどんどん広がってしまいます。 最近のニュースで、私の印象に残ったのは「色々な県や町を行き来するトラックの運転士さんだという情報だけで判断してしまい、感染するかもしれないという不安から、その運転士さんの小学生の子どもの登校は、ひかえてほしいと言われた」というニュースです。私は、このニュースを見て、自分がこの運転士さんの立場だったらすごくショックだと思いました。運転士さんは、自分の仕事を一生けん命しているだけなのに、そのような偏見によって、とても嫌な思いをされたと思います。医りょう従事者に対する差別も同じです。私たちが、住む地域の近くの病院でも院内感染がおきてしまい、それによる差別的な言葉をたくさん受けて、かん護師さんや家族の方が、とてもつらい思いをして大変な状況になっていたと聞きました。とても悲しいことだと思います。ふだんの心があれば、絶対にしない、偏見や差別だと思いますが、ストレスやパニックからこのような考えが生まれるのは、すごくこわいなと思いました。 私たちも、ウイルスに関する悪い情報ばかりに目が向いていたり、なにかとウイルスに結び付けて考えたりしているかもしれません。「あの人せきをしている・・・コロナじゃないか」「あの地域はコロナが流行しているからあそこのものを買うのをやめよ う」このように思い、行動することから、感染症は広がっていきます。これらの偏見や差別からくる感染症を防ぐために、私たちはどのようなくふうができるか考えなければいけないと思います。ウイルスによるパニックにならず、ふだんの心を忘れないことが大切です。確かな情報を広めることが大事だと思います。差別的な言動に同調しないようにするのも大切です。 私は、この大変な事態に対応しているすべての人に、ねぎらい、敬意をはらって生活していきたいと思います。そして、今できることを考えて、みんなが一つになって協力しあえる社会になるといいなと思います。 ---------- ポスター作品 田原小学校3年 きばた ゆいな 高岡小学校1年 たかまつ さき 福崎東中学校1年 すがはら ももたろう 福崎西中学校2年 とうご ひより ---------- 人権標語 ごめんねと ゆるせるこころ そだてよう 福崎小学校1年 しもさき いおり 悪口は 言いたくないし 聞きたくない 田原小学校4年 たけむら つばさ あなたをね 救ってくれる 人がいる 八千種小学校5年 なんば のあ 「いいね!」より いっぱい送ろう 「ありがとう」 福崎東中学校3年 きばた かなう ----------