広報ふくさき 令和3年(2021年)2月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- 人権作文 当たり前の日々に感謝して 福崎東中学校1年 うえだみと 今、国内だけでなく、世界中で新型コロナウイルスの影響で苦しんでいる人がたくさんいます。兵庫県でも緊急事態宣言の発令を受けて、想像すらできなかった状況になっています。 三月から学校が休校になり、私たちの生活はすっかり変わってしまいました。六年生の最後の一か月が休校になり、今まで当たり前だと思って過ごしてきたことが、実は当たり前ではなかったということに気がつきました。 毎日のように登下校をすること。授業を受けること。先生に厳しく指導されること。友達としゃべって大笑いすること。同級生や下級生と一緒に遊ぶこと。図書室で読書をすること。運動場で走り回ること。登下校中に近所の人とあいさつを交わすこと。お菓子を食べてから宿題をすること。母が仕事から帰ってきて、「宿題したか。」と尋ねてくること。明日の準備をして就寝すること。すべての当たり前が当たり前ではなくなってしまいました。そのうえ、目前に迫った卒業式さえも行われるかどうか分からないと知った時には、とても悲しく、不安な気持ちになりました。 結局、卒業式は三月中旬に縮小して行われることが決まり、うれしかったし、安心しました。卒業式当日の登校後、すぐに式の練習をしましたが、今までとは全く違う練習でした。今までは卒業生のイスの後ろにたくさんのイスが並んでいましたが、今回並んでいたのは二列だけで、広い体育館がいつもより広く見えました。練習時間も短く、通しての練習は一回だけでした。練習が終わって教室で休憩していた時に、先生から次のように言われました。 「いつもの年なら二週間も三週間もかけて練習することを、今年は一時間ほどしかできていない。だから、完璧に間違わないで動けるというのは無理かもしれない。しかし、それでもみんなにできることはあります。それは、最後のときを最高の笑顔で終えることです。」 それを聞いて、私は一生懸命やり切ろうと思いました。 いよいよ式が始まり、下級生が言うはずだった「別れの言葉」を先生方が言ってくださり、在校生が作ってくれるはずだった「アーチ」を先生方が作ってくださり、私たちはその中をくぐって歩きました。「たとえ式は縮小されても、心を込めて私たちを送り出してやりたい。」という先生方の思いが、ひしひしと伝わってきました。縮小されたのは残念だったけれど、いつもと違った卒業式で、とてもいい思い出になりました。 そして、この春から中学生になりましたが、入学式の一日登校をしただけで、再度学校が休校になり、自宅でがまんの生活が続くことになってしまいました。普通なら、入学式の次の日から毎日中学校へ通い、田原小の子とも友達になって、楽しい日々を過ごしているはずでしたが、ずっと休みになって家で過ごすことになりました。家にいてもずっとひまで、「やっぱり学校は楽しいなあ。早く行きたいなあ。」と思いました。 今までは、学校に行っているのは当たり前で、夏休みなどが近づくと、「早く休みになってほしいなあ。」と思っていました。しかし、今回の休校日を通して、「休みよりも、学校に行って友達と会っている方が楽しいんじゃないかなあ。」と思うようになりました。みんなでしっかりと予防をして、コロナが早く収まって、いつもの当たり前の生活に戻りたいです。今後の生活の中でも今の思いを忘れることなく、当たり前の日々に感謝して、一日一日を大切にしていきたいです。 ---------- ポスター作品 福崎小学校1年 ほそかわ ろあ 八千種小学校2年 ふじおか あんな 田原小学校2年 まつおか ゆうな 福崎西中学校3年 まつだ なな ---------- 人権標語 やさしさで つないでいこう みんなの手  福崎小学校5年 あつみ まな いい所 見つけてぼくも いい気持ち  高岡小学校5年 もりもと こうしろう あなたの手で きっと作れる みんなの笑顔  田原小学校6年 なさか ここね 声かけて あなたの勇気 支えになる  福崎東中学校1年 かげたに ちさ