広報ふくさき 令和4年(2022年)7月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 男女平等について 福崎東中学校3年(当時)はせがわ せいま  最近、ネットニュースで夏の全国高等学校女子野球選手権大会の決勝が甲子園で行われることが決まったという記事を見ました。今まで男子しか甲子園でプレーできませんでしたが、これを機にもっと女子野球が盛んになればいいなと思いました。このように、日本では男女平等への取り組みが少しずつですが、進められています。  しかし、まだその理解が十分に進んでいないのも事実です。先日、オリンピック大会組織委員会の前会長の もり よしろう さんという人が、「女性が多く出席している理事会の会議は時間がかかる。」と、男女差別とも取れる発言をしたというニュースが報道されました。こうした考え方に至ってしまうのは、日本の昔からの男性中心社会が関わっていると思います。確かに、弥生時代には女性である卑弥呼が邪馬台国を治めていましたが、武士の時代になってからは男性中心の社会となり、「男は外で仕事、女は家で家事」という風潮になっていきました。これが現代まで残ってしまい、男女差別の根本になっているように思います。  ただ、この差別を改善するために、「男女雇用機会均等法」という法律が一九八五年に施行されました。性別を理由とした就職などの差別を禁止したり、「看護婦」が「看護師」に、「スチュワーデス」が「客室乗務員」に名称変更をされたりしました。この後も、男性に対する差別、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメント等を禁止する法律が制定されました。最新のものでは、二〇二〇年にパワーハラスメント防止措置が義務づけられました。しかし、まだまだ十分に理解できておらず、男女差別はさまざまなところに残っています。  日本の国会における女性議員の割合は僅か十パーセント未満で、世界ランキングは百六十六位と、男女が共に政治参画するという世界の流れからは大幅に遅れています。福崎町も前回の町議会選挙のポスターを見た時に、女性の立候補者が二人しかいなかったので、まだまだ女性の政界進出が進んでいないんだなと実感しました。  他にも、職場で女性が管理職に就く割合が低かったり、産休や育休の後に仕事に復帰しても、復帰前と同じ状態で働くことが難しかったりすることがあります。会社側が、サポートを十分にできるように支援制度を作っていかなければならないし、男性も「主夫」「イクメン」という言葉が増えてきている流れの中で、家庭でのサポートを十分にしていかねばならないと思いました。  しかし、そんな中でも着実に男女平等の実現に向かっているところもあります。身近なところでは、学校の生徒名簿が、男女別名簿から男女混合名簿に変わったことがあります。僕も、最初は戸惑いがありましたが、そのうち自然と意識が変わってきました。そのことで、僕自身、男女平等に関心を持つようになったし、みんなが関心を持てば学校の雰囲気も良くなると思うので、変わってよかったなと思っています。  日本では、これまで男女平等に向けてさまざまな改革が行われてきました。しかし、先に話したように、世界に比べてその取り組みは大きく遅れています。そんな状況であるからこそ、もっと男性と女性がそれぞれの考えや長所を理解して、それらを伸ばし合ったり、活かし合ったりすることが、人権尊重や男女平等の実現に繋がっていくと思います。そのためには、僕たち若い世代が「男は外で仕事、女は家で家事」といった古い考えを改め、性別に関わらず、みんなが同じように生活できる風潮を作っていかねばなりません。そうすることで、もっと自由に意見を出し合える、みんなが楽しく笑顔で暮らせるような社会が実現できるのではないかと思います。 --------- ポスター作品 福崎西中学校3年(当時)あづみ るい 高岡小学校5年(当時)たけもと りんたろう 福崎小学校2年(当時)あおた れいと 田原小学校5年(当時)おにもと ゆうた ---------- 人権標語 優しさは 笑顔につながる 合言葉  田原小学校4年(当時)もりやま こうや なくそうよ いじめ見ぬふり 知らんぷり 福崎小学校4年(当時)ささき ひなと 大丈夫? 手を差しのべる その勇気  八千種小学校5年(当時)にしい りょうと 欲しいのは 「いいね」じゃなくて 救いの手 福崎東中学校3年(当時)おかだ ゆかり