広報ふくさき 令和4年(2022年)11月号 12ページ ---------- 福崎町文化財だより(82) 2ページ目 ---------- せつじ からの贈り物 9代 せつじ は五兄弟の中では國男と一番年が近く、2歳年上の「竹馬の友」でした。五兄弟からせつじに宛てた手紙には、贈り物に対する礼状が多くあります。せつじは故郷の旬の食べ物や名物を送ることが多かったようです。 写真=三木せつじ宛松岡えいきゅう葉書 表裏 5月1日    拙二から鯛を送られたことに対する映丘からの礼状。第7回振興大和絵会出品作 品「二日物語」の絵葉書で送られています。播州名物に「浜蒸し鯛」と呼ばれる料理があり、鯛の旬の時期に五兄弟によく送っていたようです。 三木家と松岡家の交流 文化の担い手として地域の中心的役割を果たした三木家は、医者・儒学者を輩出していた松岡家と代々学問的交流がありました。5代 つうよう と まつおか ぎすけ(國男の曽祖父)は漢詩を楽しむ仲間であり、松岡こつる(國男の祖母)は7代 つうしん に詩作の相談をするなど親しく交わりました。その後も両家の交流は継続し、五兄弟に引き継がれていくことになります。 展示では、今回が初公開となる松岡五兄弟から三木家に送られた手紙も紹介しています。また、三木家と松岡家の交流については、記念館で開催中の企画展もあわせて、ぜひご覧ください。 令和4年度秋季企画展「柳田國男の先祖、の話」  記念館では、秋季企画展「柳田國男の先祖、の話」を開催中です。  三木家から発見された新出資料も交えて、松岡家の「ご先祖様」についてご紹介します。 会場 柳田國男・松岡家記念館 2階展示室 会期 12月4日まで ---------- 歴史民俗資料館だより 令和4年度特別展 神崎タイムスにみる福崎 −うつりかわる暮らし− 12月4日まで開催中 「神崎タイムス」は、昭和24年から昭和43年にかけて発行された神崎郡唯一の郷土新聞です。  本展では、町村合併や交通、特産、暮らしの電化など様々なテーマからうつりかわる暮らしに焦点をあて、当時の福崎の様子について紹介しています。  今回は展示の中から、当時の特産品「松茸」について紹介します。  古来より神崎郡は松茸の産地として知られていました。特に播但鉄道の利便性から、福崎は松茸狩り客が多かったとされています。  記事では戦前に引き続き、松茸でにぎわう福崎の様子が報じられています。  一方で、松茸の不作を伝える記事もみられます。昭和39年になると松茸の人工栽培の実験に関する記事もあり、不作に悩む様子をうかがうことができます。  「神崎タイムス」は、この頃が福崎の松茸生産の過渡期であったことを伝えてくれます。 写真=昭和32年10月15日発行貸切バス10台、タクシー約30台、汽車等でかけつけた客は2,000名にのぼったそうです。 写真=昭和39年10月15日発行人工栽培の実験が高橋の山で行われました。