広報ふくさき 令和5年(2023年)1月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- きっかけ 福崎東中学校2年 まつだ ここな 私の弟はダンスを習っています。そのダンススクールの先生は、障がい者の方々のために無料でダンススクールをしています。だから、弟のダンスイベントには、よく障がいのある方々も参加されています。私はそれまで障がいのある方を見かけるとあまり見ては失礼になるのかと思い、見ないよう目をそらすこともありました。相手の方も見られたくないだろうと思っていたので、障がいのある方を正面からしっかりと見たこともありませんでした。ただ、私は、弟のダンスイベントをよく見に行くので、さまざまな障がいのある方たちのダンスを見る機会が多くありました。手足が大きく動かない方、大きな音が苦手で踊る時も常にヘッドフォンを付けている方、義足を付けておられる方、車椅子に乗っておられる方など数多くの方々に出会いました。普段は目をそらしてしまい、しっかりと見ることがなかった私でしたが、そのイベントのときには、そうした方々のダンスを食い入るようにじっと見ていました。なぜなら、ダンスをされている方々がとても生き生きと、輝いており、できる限りの動きや表情で自分を表現されて、目をそらすことが失礼なくらいでした。車椅子の方は、上半身を思いっきり使って踊られていました。途中、車椅子から降りて、舞台に立って車椅子を表現の道具にされていました。一番驚いたことは、義足の方が途中で義足を外して踊っていたことです。義足を外された姿は衝撃的でしたが、その方はそんなことも気にされるそぶりもなく、とても楽しそうに踊られていて、こちらまでも笑顔になる演出で、夢中になってしまいました。演技が終わった時、私は目一杯の拍手で賞賛しました。  その日、帰ってきてからふと思いました。今までは障がいのある方を一瞬でも見るとわざと目をそらしてしまっていたけれど、その行動は相手にも伝わっていて、相手をとても傷つけていたのかもしれないということです。健常者の方が歩いていて、私の視界に入ったとしても何も思わないのに、障がいのある方に対しては見てはいけないと思ってしまっていた自分が恥ずかしく、それ自体が間違った考えではないのかと感じました。知らず知らずのうちに障がいのある方々を差別してしまっていたのかもしれないとドキッとしました。  障がいのある方にダンスを教えておられる先生が、イベントの挨拶の中で、「自分にも障がいのある姉がいます。姉のことを恥ずかしいと思うこともありました。隠したいと思うこともありました。母は姉を連れているとき、すみませんとずっと謝っていました。自分も肩身が狭いと感じることもありました」と話されていました。その話を聞いた時、私はとても悲しくなりました。障がいのある方とその家族が、まさか肩身の狭い思いをして生活をしていたとは思いもしませんでした。「すみません」とずっと謝っているお母さんの姿を想像すると胸がしめつけられます。なぜそのように思うのだろうか。文句を言われたことがあるのだろうか。迷惑な顔をされたことがあるのだろうか。いろいろな思いがよぎりましたが、その中に、わざと目をそらしてしまうということも入るかもしれないと気づき、はっとしました。相手にそのことが伝わり、どれだけ自分のしてきた行動が相手を傷つけていたかをあらためて後悔しました。  私は、実際に障がいのある方とじっくりと話をしたことはありません。しかし、今回の出来事を通して、今までの自分の行動を振り返り、考え方をあらため、これからの自分の行動を考える「きっかけ」となりました。毎日の生活の中で見落としてしまいそうなことでも、少し見方や考え方を変えてみることもとても大切なことだと思います。そして、障がいのある方が、肩身が狭かったり、何かをするたびに謝らなければならなかったりすることがないように、まずは自分ができることをやっていこうと考えています。小さな事かもしれませんが、自分なりに考えたことを自然な形で行動に移すことができたらいいなと思っています。 ---------- ポスター作品 田原小学校5年 おおにし はると 福崎小学校5年 おぐに めい 高岡小学校6年 みやたに そうじろう 福崎西中学校3年 ふじもと はるき ---------- 人権標語 笑顔はね 心を明るく するまほう 田原小学校4年 いおく かなで あいさつで 深まるきずな ひろげよう 福崎小学校6年 おおうら りあら 向き合って ほんとにそれは  あそびなの? 八千種小学校6年 しろたに りこ 「ありがとう」 言葉一つで 笑顔の輪 福崎西中学校3年 くすだ そよ