兵庫県指定重要有形文化財 大庄屋三木家住宅

~地域の政治と文化の中心的存在だった姫路藩の大庄屋~

1.三木家の概要 クリックすると詳細がご覧になれます

神崎郡福崎町西田原1106

三木家住宅は、福崎町の南東部、JR福崎駅から東へ約2㎞の辻川地区に所在している。町のやや南部で、東西に結ぶ中国縦貫自動車道と南北方向の播但連絡道路が福崎インターチェンジにより結ばれており、町外からのアクセスも容易である。また、国道312号線と並行する形で旧生野街道が通り、古い町並みが残っている。

三木家は、英賀の地にあった岩繫城主であったと伝えられる。当家は、明暦元年(1655)に飾万津から辻川に移り住み、3代の時に姫路藩の大庄屋となって以降、幕末まで代々大庄屋を務めた。屋敷地は1861.18㎡となり、敷地内には表座敷、副屋、離れ、内蔵、米蔵、酒造蔵、角蔵、厩、表門の9棟の県指定文化財が存し、周囲は土壁で囲まれている。

表座敷他9棟の建物は昭和47年に兵庫県の文化財に指定され、昭和62年には「ひょうご住宅百選」に選ばれており、平成16年に福崎町の所有となった。また、三木家関係の文献は、江戸時代の古文書から明治から昭和にいたる書簡類をはじめ軸物等も含み約9000点に上る。民具では、大庄屋に関する品(調度品)から生活用具、農具等明治以降の用具類に至る約2000点を有する。

三木家住宅の保存修理工事については、平成22年度から着工する予定である。

[1]遺構由緒

主屋は三木家の中心となる建造物であり、かつ最も重要な建物であるが、その建築年代を直接に示す史料はないものの、柱材などの年代的類別によって、「かみのま」を除く主屋の主要部分は17世紀後期に建築されたと推測される。いずれも旧態をよく存しており、その壮大な構えは、当時の大庄屋の生活の一端をうかがうに足りる住居の好標本である。

[2]遺構規模

  • 敷地面積 1861.18㎡
  • 表座敷:桁行11間、梁間4間、一重(一部中二階)、入母屋造、本瓦葺
  • 副屋:桁行5間、梁間2.5間、一重二階、本瓦葺
  • 離れ:桁行6間、梁間4.5間、一重二階、入母屋造、本瓦葺
  • 内蔵:土蔵造、一重二階、切妻造、本瓦葺
  • 米蔵:土蔵造、一重二階、切妻造、本瓦葺
  • 酒造蔵:土蔵造、一重二階、切妻造、本瓦葺
  • 角蔵:土蔵造、一重(一部中二階)、切妻造、本瓦葺
  • 厩:一重二階、本瓦葺
  • 表門:本瓦葺、付塀一廻り

[3]整備施設

  • トイレの設置
  • 事務所の設置

2.保存活用について クリックすると詳細がご覧になれます

兵庫県指定有形文化財三木家住宅を復元し、保存・継承するとともに、地域のまちづくりに寄与する拠点施設として活用することを目的とする。

大庄屋三木家住宅は、幕藩体制確立期に成立した建築物であり、県指定文化財とされている主屋ほか9棟は創建当初からの姿をよく残しており、建築学的にも貴重である。加えて、同様の建築物とは一線を画する、民俗学の父柳田國男が過ごしたという特色を持っている。このため、三木家が有する文化財価値を保存・継承することを第一義とした上で、柳田國男ゆかりの地であり、辻川界隈という旧街道の交差点として多くの歴史的建築物が残る立地特性を利用し、町の歴史と文化のシンボルとしてより多くの町民に親しみある施設となるよう積極的な活用を図っていく。

[1]管理運営体制の確立

三木家住宅の公有後の利用と運営においての体制の確立をはかり文化財を活かした地域づくりを行うことが求められる。
この管理運営体制は、行政のみや管理団体のみの単一的な管理運営ではなく、協働で行う。また、団体による自主運営も視野に入れる。

[2]建物及び敷地の効果的な利用

三木家住宅は各部屋を利用して、展示や文化活動に利用できるようにしていく。
現在も、酒蔵や土間においては展示が行われ、三木家の理解につながるようなものになっている。展示においては、現行のものも参考にしながらも、展示替えを行い一層の理解を深められるように配慮していく。
敷地の中でも、北側の広場は多目的に利用できるようにしていく。
また、管理運営団体のみの主たる利用ではなく、他の団体に対しての貸し出しも行い、多岐に渡る利用ができるようにしていく。

[3]体験施設、学習施設としての利用

体験施設として、歴史的文化的体験学習の場所として利用する。
学校教育、社会教育においても体験型の学習機会の提供が求められており、そこから得る知識と経験は何ものにも代えがたいものになるので、体験施設としての機能を有するように活用していく。
また、地域に関することを調べることのできる場所として利用する。

[4]ボランティア組織の育成と確立

ボランティア組織を育成し活動の場として三木家を利用する。三木家住宅を知ることや地域を知ることから始め、解説ボランティアの研修場所と活動拠点となるようにつとめる。
ボランティアは総合的なボランティアや専門的なボランティアが考えられる。専門的ボランティアは、体験教室講師や農具等の利用方法の解説、三木家住宅の建物解説などそれぞれの役割に専門性を持つ方にお願いする。これは、専門家というのではなく経験上会得している知識をもって役割を担うことのできる方々を指す。また、総合的なボランティアは、全体を通して三木家と地域理解に造詣の深い方々を指し、全般的に活動いただく方々を指す。
専門的から総合的にボランティアの育成も含めてあり方を確立する。

[5]ソフト事業の展開と既存事業との連携

三木家住宅を活用するにあたっては、三木家住宅を知ってもらうことが大切である。そこで、三木家住宅を中心としたイベントなどソフト事業の展開が必要となる。

既存事業としては、民俗辻広場まつり、柳田國男・松岡家顕彰会記念館で行う山桃忌、歴史民俗資料館が行う特別展や体験活動、もちむぎのやかたが行うオリジナル事業、地元辻川区が行う、辻川界隈展や民俗学の夕べなども独自に展開しているものがある。これらの事業と、連携を強め協力することで相乗効果が期待される。

[6]周辺施設との連携と地域との連携

周辺の既存施設には、民俗学を中心とした「柳田國男・松岡家顕彰会記念館」や「柳田國男生家」、神崎郡及び福崎町の歴史を集めた「神崎郡歴史民俗資料館」、福崎町の特産品の振興と啓発を兼ねた「もちむぎのやかた」がみられ、独自の活動により運営を行っている。それらは、主体は財団法人であり町や第三セクターである。それらの施設における単独事業には限界があり有機的に結びつくことによって相乗効果が期待できるので、三木家住宅が所在する地元地域との協力関係を持つことが必要である。

[7]安全面への配慮

ソフト事業や啓発事業、利活用を行うにあたっては、来館者や利用者への安全面への配慮を行う。