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「福崎町の将来を考える市町村合併問題講演会」を3月2日(日)に文化センター大ホールにおいて開催しました。会場には約400名の方が参加され、熱心に聴講されました。いま、全国で市町村合併についての検討や研究が進められています。市町村合併は、私たちがまちづくりを考える上で選択できる1つの方法ですが、これからの生活に大きく関わってくることから、住民の皆さんと一緒に議論を深めながら判断することが何より大切です。 |
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| 【合併慎重派】 大阪経済大学教授 重森 曉(しげもり あきら) |
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●市町村合併をどう考えるか 市町村合併問題を4つの視点から考えてみたい。1つ目は地方分権と市町村合併という視点である。地方分権を進めるためには小さな自治体だとそれを受け止めることは出来ないという議論がある。地方分権、地方自治を確立するためにどういう規模の自治体が必要かを考える場合、市町村・県といった行政機構としての団体自治、住民自身による地域の運営ということでの住民自治の2つの自治があるが、今の方向は団体自治を中心として地方分権を考えた場合には一定規模以上の自治体が必要だということが中心となっている。両方があって始めて地域が自立し発展すると思っている。 第2の視点は、広域的行政課題と市町村合併という問題である。少子高齢化、情報化、国際化といった中、複雑多様化する行政サービスに対応していくためには大きな規模が必要だと言うのは単純すぎる。逆に小さな自治体の方が住民に顔の見える関係の中できめ細かなサービスが出来ることがある。小さくても地道にまちづくりを進めている自治体は数多くある。小さい自治体では高度化する行政サービスに対応できないと法律で決めてしまうことはきわめて問題がある。 第3の視点は行政の効率化である。今の小さな規模の自治体では効率が悪く、職員の数も多いので一定規模以上にした方が効率がよいという話がある。人口は15万から20万人くらいが一番効率的で自治体1人あたりの人件費が少なくてすむと言われているが、神崎郡と夢前町を考えると面積508km2で人口9万人弱となり、面積が広すぎて住民が満足できるまちづくりが出来るか疑問である。行政的なレベルでコストは下がっても、例えば役所に行くのに1日ががりで交通費がかかるし仕事も休まなければならない、住民の声が届きにくくなる。そういう意味において何のための誰のための効率化かよく考える必要がある。職員が減って人件費が減れば効率的行政だと単純に考えない方がよい。 第4の視点は財政の問題である。合併すると何がいいかというと合併特例債の問題と地方交付税の算定替えの問題と人件費をどれだけ削減できるかということがある。人件費は確かに削減される。建設事業費は合併特例債で一時増える。しかしそれは借金が増えることである。将来は、基準財政需要額は削減されて地方交付税は大きく減ることになる。税収は今の日本の経済情勢を考えると必ずしも上がらない。 合併しても財政効果が上がるとは思えない。それより現在の町を単位としてどのように町おこしを進めていくか、地域の持っている資源を生かしてどのように地域の活性化を図るのかを住民と行政が考えるのがまず大事だ。 |
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| 【合併推進派】 関西学院大学教授 林 宜嗣(はやし よしつぐ) |
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●まちづくりと合併問題 まちづくりの視点から合併問題を考えてみたい。政府はこれまで数回合併特例法の改正をしてきた。最初は合併に伴う障害を取り除くためであったが、合併推進という立場になってきた。合併をすれば財政的な様々なメリットを付け加えるというアメと、地方交付税の縮減というムチへの政策転換が図られている。 地方交付税は東京のように財政力の強いところでも人口数百の弱い自治体でも、日本のどこに住んでいてもこれだけのサービスはすべての国民が受けられるように、資金が足りないところは国が補填をするという制度であるが、小規模自治体に手厚いという議論が出てきた。また、地方交付税は自治体間の財政力の格差を是正するためのものであるにもかかわらず、単独事業の地方債償還金を算入するなど、交付税そのものが補助金のような形になっている部分もあり風当たりが強くなってきている。現在の日本の地方制度は人口数十万人の自治体も、人口数百、数千の自治体も基本的に同じ仕事をしている。これは地方交付税制度によって出来たものであるが、しかし交付税は今後減っていき、小規模自治体は今までどおりの仕事をすることは難しくなっていく。 今起こっている現実を目のあたりにすると、こういった厳しい状態に対応するような備えが必要である。いままでの地域づくりは、国が政策を決め、お金もだせる状態であった。しかし、これからは国から潤沢にお金が流れてくる時代ではない。そういうなかで地域づくりをしようと思えば自治体に力がつかなければならない。合併は自治体の力をつけるためのものだと考えるべきだ。合併は自治体が政策形成能力を高めるステップだと思う。 合併をすると経費節減の効果が出てくるが、この部分は余ったお金ではなく将来への備えとすべきだ。交付税を減らされない10年間の財源でもって将来のために力をつけることが大事だ。これを行政サービスは高いところに、公共料金は低いところに合わせることにお金を使ってしまうと、いざ地域づくりをといったときにお金がないといったことにもなりかねない。合併により行政コストが安く済むのは行政にとって利益だが住民にとってはマイナスだという意見もあるが、行政と住民を対立構造の中でとらえるのはよくない。行政効率が増加し、資金に余裕が出来れば地域住民のために使うことが大事である。 役場が遠くなる、住民の声が聞こえにくくなるなど合併への批判はあるが、例えば地域審議会などを組織し、旧町村単位でその地域の政策を行政に反映させることは可能である。また、他地域における合併の失敗事例は、これを成功に転換するための参考事例とすべきである。 合併は地域づくり戦略のひとつであるべきであり、合併そのものが目的ではない。グローバル化した社会の中で地域を活性化させ、維持していくためには、小さな利害関係は少し横に置いて合併を地域づくりとしてとらえる。そして行政主導でない合併を目指すべきだと思う。 |
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