広報ふくさき 令和2年(2020年)10月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- 女性問題 福崎西中学校2年(当時)いとうかれん 世界には、何らかの理由で学校に通えない子供がたくさんいます。ただ、その人数は女性の方が圧倒的に多いのを知っていますか。 多くの世界には、男女の役割を分ける伝統的な慣習や差別が今も深く根づいています。たとえば、女性は早く結婚して家の中の事をするべきだとか、家事しかしないであろう女性には学校の教育は不必要であるという考えです。 また、貧しさも大きな問題です。きょうだい全員を学校へ通わせるお金が無ければ、男性が優先され女性の多くが十代のうちに働きに出されてしまいます。子供には限りない可能性が秘められているのに、能力を発揮する機会が与えられていないのです。その他にも、女性が恋愛をしただけで「不名誉」だとされ家族に殺害されてしまう「名誉殺人」や、未成年のうちに強制的に結婚させられてしまう「少女婚」など、今もたくさんの差別があります。 以前、私は「女やから無理」と言われた事がありました。昨年、身内でキャンプへ行った時のことです。「沢登り」という遊びに私も挑戦しようとしていると、「お前、女やから無理やろ。」と、笑いながら言われたのです。私の体調を気遣っての言葉ではありませんでした。なぜならそれは、蔑む様な口調だったからです。 私は「女」という性別で判断されたんだと、とても腹が立ちました。確かに女性と男性では体格の違いや体力の差があります。運動をする上では女性の方が劣っているかもしれません。しかし、性別によって何かを決めつけたり制限したりするのを当然だと思ってはいけないと思います。性別ではなく、私個人として見るべきだと思ったし、また見てほしかったです。 前に私が最も衝撃を受けた女性問題がありました。それは、東京医科大学の入学試験で女性の合格者の数を故意に抑えていた事件です。公正に行われるはずの入学試験が歪められていたのです。私はこの事件を知った時、とても強い憤りを感じました。「そんな所にも差別が行われているなんて・・・」と。 女性の人数を抑えた理由は「女性は結婚や出産で職場を離れることがあり、その際人手が足りなくなると困るから。」だそうです。一見まともな理由に受け取れるでしょう。ですが、必死に頑張ってきた人が落とされるのです。そんな理由で簡単に切り捨ててよいものでは決してありません。落とされた方のそれまでの努力は報われることなく、水の泡となってしまいます。女性にも強さはあります。出産の痛みに耐える忍耐強さや、物事を幅広く捉える思考力、我が子を守る母性や愛情は、人が生きていく中で無くてはならないものです。それはもっと尊重されるべきだと思います。さらに、女性の権利を守る法律ももっと改善されるべきだと思います。そうやって世の中の考えを変えていかないといけないと思います。 しかし、実際は私自身、人の欠点を探したり、「男のくせに・・・情けない。」なんて無意識の内に、弟を馬鹿にしてしまうことがあります。それは私の癖のようなものとなり、母に叱られてもなかなか治せません。皆が皆欠点を無くすことなんて不可能だと割り切って、自分には無理だと開き直ってしまうこともありました。ですが間違っていることは素直に認めないと、ただ卑屈になるだけです。そしてその間違った考えは凝り固まってしまい、他の考えを受け入れることが困難になります。しかし、私達はまだまだ若い。いろんな考えを受け入れられます。古い考えに縛られず、性別で分け隔てるのではなく、対等の関係を築いていく事ができます。 「女性問題」そんな言葉のくくりで表される社会がなくなってほしいため、私も身近にある差別を少しずつでも減らしたいと思います。自分には関係ないとは思わず、みなさんも友達や家族で話し合ってみてください。きっと明るい未来が待っていると思います。 ---------- ポスター作品 福崎小学校3年(当時)ごとうみなみ 田原小学校3年(当時)さかもとちより 高岡小学校6年(当時)おさきゆうか 福崎東中学校1年(当時)ふくながまほ ---------- 人権標語 ごめんなさい すぐに言えたら みんななかよし 福崎小学校3年(当時)たにぐちりょうのすけ ありがとう その言葉から 笑顔さく 田原小学校4年(当時)みなみこはる いじめはね 「遊び半分」 もうおそい 八千種小学校5年(当時)おかもとみずき とめようよ 見て見ぬふりも いじめだよ 福崎東中学校1年(当時)みわはると