広報ふくさき 令和3年(2021年)3月号 14ページ ---------- 福崎町文化財だより(79) 2ページ目 ---------- 令和2年度 埋蔵文化財発掘調査速報 桜たけのご遺跡 桜たけのご遺跡は、桜集落の西側に位置する遺跡です。ほ場整備事業に伴う試掘調査で新たに遺跡として確認されました。 掘立柱建物3棟、竪穴住居2棟、柵跡1列のほか、土坑や溝が多数見つかりました。出土した土器から、飛鳥時代を中心とした遺跡と考えられます。 掘立柱建物には、側柱建物と言われる建物の外壁に沿って柱を立てて上屋を支える構造をしたものと、総柱建物と言われる内側にも柱を立てて多くの柱で建物を支える構造をした2種類のものが確認されました。総柱建物は荷重に強く、倉庫などに利用されていることが分かっています。このことから、当遺跡も桜東畑遺跡よりは小規模ながらも物流のひとつの拠点的な性格を持っている遺跡と考えられます。 さて、今年度も高岡小学校6年生が発掘調査現場の見学に来てくれました。みなさん、間近で出土した土器や遺構を見学し、熱心に説明を聞いてくれました。 また、8月には桜ひがしはた遺跡で現地説明会を開催したところ、78名のみなさんに遺跡の状況を見ていただくことができました。 来年度も高岡地区で発掘調査の計画があり、現地説明会などを企画した際には広報などを通じてお知らせいたします。その際にはぜひお越しください。 山崎地区ほ場整備事業に伴う試掘調査開始 令和2年11月から山崎地区のほ場整備事業予定地で、埋蔵文化財の有無を確認する試掘調査を開始しました。 山崎地区では、町指定文化財の大塚古墳が知られていますが、その他の遺跡の状況が不明でした。 現在、ほ場整備予定地の半分程度の調査を終えましたが、大塚古墳周辺から弥生土器とともにピットなどの遺構が確認されたことから、弥生時代からこの周辺で集落が営まれていたことが明らかとなりました。また、過去に古墳があったと伝わっているところもあり、今後の調査でこれまで知られていなかった山崎地区の歴史が明らかになっていくことが期待できます。 調査の成果は今後も広報や資料館の展示などで紹介しますので、お楽しみに。 ---------- 令和元年度埋蔵文化財発掘調査速報展 会期 3月14日(日曜日)まで 場所 神崎郡歴史民俗資料館 一階展示室 令和元年度は試掘・確認調査を13か所、本調査を4か所で行いました。高岡福田地区ほ場整備事業に伴う埋蔵文化財調査では、きつねづか遺跡(桜区)で近世から近代の水田跡や集落跡、はやしたに遺跡(桜区)で縄文時代の落とし穴遺構のほか、古墳時代の竪穴住居が見つかるなどの成果が得られました。 なかみぞ遺跡(駅前区)では、弥生時代後期の竪穴住居や溝などの遺構が確認されました。 本展では、これらのようすを写真パネルや出土した土器を用いて紹介しています。ぜひ、お越しください。 写真=なかみぞ遺跡出土土器 ---------- 三木家だより 「下張り文書」はがしました 三木家住宅のふすまの下張りに使われた文書をはがし保存する作業を、令和2年11月、12月に3回、延べ16名の地域のみなさんと実施しました。 文書を綺麗にはがせた時の達成感に、みなさん熱中しておられました。 この作業は今後も定期的に行いますので、大人から子どもまで、皆さまぜひご参加ください。 写真=下張り文書はがし作業のようす