広報ふくさき 令和3年(2021年)12月号 11ページ ---------- 福崎町文化財だより(80) 1ページ目 ---------- 特別展示 三木家の婚礼 入館料無料、11月30日(火曜日)まで開催! 会場 三木家住宅 主屋 開館時間 午前9時から午後4時30分(入館は午後4時まで) 休館日 月曜日、祝日の翌日(11月23日は開館) 江戸時代に姫路藩の大庄屋を務めた三木家の冠婚葬祭は、その家柄にふさわしく豪華なものである一方、好学の家風により代々蓄積された教養・文化が随所に刻まれていました。そのようすは、子孫のために詳しく書き残された記録から知ることができます。  本展では、三木家で行われた冠婚葬祭の中から、「婚礼」をとりあげ、近世から近代にかけて三木家で行われた縁組や祝言・祝宴など、残された記録を通して紹介します。 写真=高砂人形(江戸時代後期) つうしんの婚姻の記録  三木家7代当主であるつうしん(1824から1857)は34歳の短い生涯でしたが、かいとく堂(大坂の町人の学校)への入門や江戸遊学など文化的部分で多面的・精力的に活躍した人 物です。  つうしんは、てんぽう13年(1842)にめが村(現姫路市飾磨区)かつま とうべえ の娘てると結婚しますが、こうか2年(1845)に離婚。こうか4年にむろつ津(現たつの市)まちおおとしより のもと げんぞうえもん の娘れいと再婚しています。初婚の記録は6代つうめい(1782から1844)が記したものが残っており、再婚ではつうしん自身が横長帳45丁に及び克明に記録したものが伝わっています。 『えんやくいちじょうしょびかえ』 江戸時代の結婚は、家と家との結びつきという意味が強く、親や親類などが大きく関わってきました。父つうめいの筆からなる『えんやくいちじょうしょびかえ』(てんぽう12年8月)は、18歳のつうしんに縁談が持ちあがったところから婚礼に至るまでの過程が記録されています。この資料でも結婚する当事者2人の存在は薄く、父親や縁談の仲介 役をつとめた叔父の みき たけはちろう、かつま家の相談役であった しかまつ くろだやなど婚礼に向けて奮闘する周囲の人びとの生き生きとした姿がみられます。 写真=『えんやくいちじょうしょびかえ』