広報ふくさき 令和3年(2021年)12月号 2ページ ----------   祝 福崎西中学校合唱部金賞受賞(大分市長賞受賞)  福崎西中学校合唱部は、令和3年10月31日に大分市のiichiko総合文化センターで開催された「第74回全日本合唱コンクール全国大会」に関西地区代表として出場し、中学校部門混声合唱の部で、見事、金賞に輝き、大分市長賞を受賞しました。全国大会初出場でありながら、最後まで立派に歌い上げる姿に応援に駆けつけた関係者すべてが感動の渦に包まれました。  これまでご支援いただいた皆様方に厚くお礼申し上げます。 第74回 全日本合唱コンクール全国大会への参加を終えて  この度、『全日本合唱コンクール全国大会』への出場の機会を与えていただき、関西地区代表として、大分県まで行ってまいりました。出場に際し、福崎町をはじめ、多くの方々からご支援いただき、心より感謝申し上げます。  福崎西中学校合唱部の生徒たちは33名。全国の舞台に呑まれることなく、堂々と最後まで歌い切りました。そこには、ぶれない、演じ切るという覚悟がありました。合唱部の本部員12名に加え、部活動を終えた3年生21名が『合唱をやりたい』との純粋な思いで、7月後半から加わりました。『入った以上、しっかりと最後までやり抜くから』と言っていた野球部の生徒。誰一人欠けることなく最後までやり切ってくれました。  そして大会当日。舞台に上がる時から、降りる瞬間まで、全国大会にふさわしい立ち振る舞いができていました。歩き方、ステージでの立ち姿、遠くを見つめる視線、マスクの取り方までもが揃っていました。そこには、33名みんなの気持ちが、そして心がひとつの方向を向いていました。  1曲目が始まり、会場の空気が変わりました。2曲目、西中の合唱に聴衆も引き込まれ、情景が浮かび、息をするのも忘れてしまうほどの出来栄えでした。演奏が終わった時は、会場が「しーん」と無音。そのあと大きな拍手をいただきました。本当に聴衆を巻き込んだ素晴らしい合唱でした。  生徒たちがここまでに至るには、『日々の努力』に尽きると思います。コロナ禍のため、思うように練習 できない中、『全国の舞台に立てるふさわしい人間になる』と常に考え、技術面だけでなく、練習を通して、仲間を大切にすること、ひとつの目標に全員で立ち向かうこと、そして支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れることなく、どんどん思いを深くしていきました。今までの努力の集大成が全国の舞台となりました。  『本気になる』、とよく言いますが、演じるものが本気でないと、聴く人には届きません。心はふるえません。涙も出ません。33名の生徒たちが、まさしく本気になっていました。私も演奏を聞いていて感動し、自然と涙が出てきました。素晴らしいひとときでした。そして、歌い終わり、写真撮影のためにホールに出てきた多くの生徒が泣いていたのです。歌い終わった安堵感もあったのでしょうが、それよりもすべてを出し切ったからこその涙だったように思います。自分たちが創り上げてきた音楽に自信と誇りを持ち、全身全霊を込めるとはまさにこのこと、そのことを生徒たちは全国の舞台で体現してくれました。  全国の舞台に立つだけでも幸せなことです。あの日の舞台で歌えたのは全国で12校でした。誰もができる経験ではありません。そして、生徒、指導者、保護者、学校、地域がひとつにならなければ、全国大会金賞・大分市長賞には結びつかなかったでしょう。33名の生徒たち一人一人の心に、一生の宝物ができました。そして、福崎西中学校にとっても素晴らしい財産ができました。この度の結果に驕ることなく、足元をしっかりと見つめ、一歩ずつ前へと進んでいってもらいたいと思います。これからも、子どもたちを中心に据え、学校・家庭・地域がしっかりと連携協働し、教育活動を進めてまいります。本当にありがとうございました。 福崎西中学校 校長 木村保則