広報ふくさき 令和5年(2023年)10月号 22ページ ---------- 食育通信 〜八千種幼児園の取り組み〜  八千種幼児園では、5歳児が畑でトウモロコシ、スイカ、オクラの栽培に取り組みました。  毎日水をやって出た芽を畑に植えると、ぐんぐん大きくなりました。トウモロコシが子どもたちの背よりも高くなり、てっぺんの雄花が咲き始めた頃に、台風7号が通過しました。強風で折れたトウモロコシに、根っこから倒れてしまったオクラ。畑にやってきた子どもたちは、しばらく言葉を失っていましたが、その横で、数日見ないうちにスイカの実がひとつ大きく育っていることに気づき、「スイカが大きくなっとるで!」と歓声を上げていました。  それからは、ひとつのスイカの実を、大切に世話し続けました。「近くのツルが茶色くなった頃が収穫のタイミング」と教えてもらい、「まだ緑やな」と水やりのたびに確認したり、「じいじはスイカをたたきよったで」とスイカをポンポンたたいて確認したりする姿も。8月の終わりに、ツルが茶色く、音も少し鈍く感じるようになり、やっと収穫しました。子どもたちが見守る中、スイカを切ると、淡いけれどきれいな赤い実が見え、「やったあ!」と大喜び。冷やしてから食べたスイカは、みずみずしくて白い皮のところまでおいしい、最高のスイカでした。「もっと食べたかったなあ」と言う子どもたちは、「家で育てる!」と種を大切に持って帰っていました。  うまくいくことばかりではない野菜作りでしたが、その分、さまざまなことを感じてくれたのではないかと思います。 写真=スイカをみつめる八千種幼児園のこどもたち ---------- 短歌会 草刈り機担いで帰る老農夫夕日背にして足取り重き。やすだただし。 動くたび汗のしたたる日々なるも庭師の仕事は定休日なし。おのえさだのぶ。 こわれたる時計外して無からんにまた見上げいる壁のっぺらぼう。おかだえみこ。 和歌紡ぐ小町物語ユーミンも彼方思いてひこうき雲へ。くりと もも十五去年の三倍の収穫と日焼けの夫のほくほくと言う。こやまみつる。 コロナ収まり初めて見たる友の素顔ひとしお身近に感じていたり。ひさのえい。 柏原かはた六甲へかわが故郷の七種越しくる雲と遊びぬ。おおのやえこ。 鉄橋を電車の忙しく渡りゆき夢前川に余韻を残す。なかむらせいごう。 石垣の片鱗さえも残すなく山躑躅咲く春日城址は。うちやまつぐたか。 ---------- 俳句会 空蝉や 昨夜の羽化の 無事の痕。ひろせじゅんすい。 お下がりに 酢昆布もあり 地蔵盆。おおのむねのり。 鈴虫鳴く 禅宗寺で 聴く説法。おにもとおさむ。 遊覧舟 城濠巡り 夏惜しむ。きしがみかつみ。 魚の棚 匂いも売りの 団扇風。さとうじゅんこ。 蛸焼きを 孫と食いつつ 夏惜しむ。まつしたせんよう。 吾が庭の 桔梗を剪り 供華となす。しろたにあきみ。 友よりの 優し絵手紙 白桔梗。ふじおかてるよ。 秋に入る 喜寿を迎えし 誕生日。いしかわこうじょ。 紫蘇を揉み 紅き手のひら 匂いたり。まつしたしょねん。 孫去りて ぽつんとミニカー夏の果て。おふじことよ。  道を聞く 人見あたらず 秋近し。まつおかかつみ。 ★会員を募集しています。興味のある方はご連絡ください。電話22・5237(松岡)