広報ふくさき 令和5年(2023年)11月号 9ページ ---------- 福崎町文化財だより(84) 1ページ目 ---------- 特別展示 ふすまの中から見る三木家 下張り文書調査からわかってきたこと 入館料無料、12月3日(日曜日)まで開催! 会場 三木家住宅 主屋 開館時間 午前9時から午後4時30分(入館は午後4時まで) 休館日 月曜日、祝日の翌日、12月1日(金曜日) 三木家住宅では主屋の保存修理工事や副屋・離れ等の改修工事で、ふすまや土壁の中から多くの下張りが発見されました。紙が貴重だった頃の下張りには、帳簿や手紙、かきつけなどの使い古した不要な紙が再利用されています。当時の人が残そうと思って残した記録ではありませんが、現在の私たちにとっては昔の人びとの暮らしを知るための大切な宝になります。  本展では三木家の下張り文書を公開するとともに、調査を行うことで、ふすまの中から見えてきた三木家や地域のようすを紹介しています。 ふすまの中身は? 和室のたてぐの一つであるふすまは、木で作られた骨組みの両面に紙を張って作られています。私たちが目にするのは絵画や書などが貼られた表の面(おもてがみ)ですが、この下には和紙が何層にも張られ、ふすまを補強しています。この表紙の下に大量に張られた紙を「下張り」と呼び、紙が貴重であった時代には、不要となった紙(ほごし)が再利用されていました。 下張り文書の調査の流れ 古いふすまはそれ自体が貴重な歴史資料です。下張り文書をはがすには、きちんと記録をとる必要があります。 @ふすまの付番と写真撮影  ふすまに番号を付けて写真を撮ります。ふすまの枠木から下張りを取り出します。 写真=今回はカッターで切れ込みを入れて下張りを取り出し、まくりの状態にしました。 A下張り文書の記録  文書がどこに、どのように貼られているかスケッチや写真で現状を記録します。 Bラベルを貼る  文書の一枚一枚に和紙で作ったラベルを貼ります。一層分貼り終わったら、写真を撮影します。 写真=ラベルには「ふすまの番号」「ふすまの表・裏」「〇層目の〇番」を記入します。 C下張り文書をはがす  乾いた状態で竹べらなどを使ってはがしていきます。糊が強くて無理な時は、霧吹きなどで湿らせて、糊をふやかしてからはがします。 写真=破らないようにはがしていきます。 ※AからCの作業を各層ごとに繰り返します。