広報ふくさき 令和6年(2024年)4月号 8ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- 介護施設の問題 福崎東中学校3年(当時) おおにし みお  私のおばあちゃんは、ここ一年の間に背骨の圧迫骨折と左股関節の手術をしました。その度に、何か月も歩けずに寝ている状態が続きました。  その間、おじいちゃんが一人でおばあちゃんの世話をしていました。おじいちゃんは、田植えをしながら、畑仕事や庭の花の手入れ、料理や洗濯などの家事をしなければなりませんでした。私たち家族もたまに手伝いに行きましたが、おじいちゃんは毎日一人でしていたので大変だったと思います。  なので、高齢者にとって「一人では困難」と思っている動作が何なのかが気になり、調べてみました。  特に難しいと感じていることは、重いものを持ち上げたり運んだりという動作でした。他にも、立ったり、座ったりという動作や、階段を上り下りする動作が「一人では困難」と感じていることが分かりました。このようなことから、おじいちゃん一人で全てをやるのは、歳を取っていくほど大変になると思いました。  そこで次は、おじいちゃんとおばあちゃんが介護施設に入る可能性があると思い、介護施設の問題が気になったので調べてみました。すると、問題視されていることがいくつかありました。  一つ目は、介護難民です。介護難民とは、介護が必要な「要介護者」に認定されているものの、施設に入れなかったり、適切な介護サービスを受けられない六十五歳以上の高齢者のことです。介護難民が発生する理由の一つは、高齢化の進展により要介護者が増加していることです。  二つ目は、介護従事者が不足しているということです。介護労働安定センターの調査によると、「従事者が不足している」と回答をした事業所は全体の6割を上回っていました。  三つ目は、介護施設自体が少ないということです。  四つ目は、費用で悩みを抱えている人が多く、月々の平均費用は、七万八千円もするということです。私はこの金額を聞いて固まってしまうほどびっくりしました。  私は、この四つの問題に対処できる手段がないのか考えました。そして、色々と調べてみたところ「地域包括ケアシステム」というものを見つけました。「地域包括ケアシステム」は、地域包括支援センターが中心となって運営しており、必要な施設や医者を紹介してくれたり、介護の相談にのってくれたりするシステムです。なので誰もが介護対策として利用できると思いました。  私たち家族は、介護施設におじいちゃん、おばあちゃんが入ることに対して不安があります。その理由は、介護施設において、高齢者が虐待を受けているというニュースを度々見るからです。原因として考えられるのは、介護は肉体的にも精神的にも大きな負担を背負うので、疲れがたまってしまい、虐待が起こっていると考えられます。おじいちゃんもこの先、疲れがたまり介護が思い通りにいかなくなったとき、おばあちゃんに暴力をふるってしまうかも知れません。絶対にそうなって欲しくないので、誰かの助けが必要だと思いました。  私は、この先高齢化はもっと進み、要介護者も増えていくと思います。そこで、家族を助けてくれるサービスが必要になってくると思いました。例えば、ボランティアの人が、一人で介護している家族の相談や、息抜きのおしゃべりなどに付き合うことで、前に挙げた問題の一つの解決法になるのではないかと思います。  しかし、一番の問題は、お金のことだと思います。従事者の賃金にしても、預ける側にかかる費用にしても、私たちがどうしようもない問題が山積みです。保育士さんの賃金が上がったように、次は介護従事者の賃金も上げてもらえたら、あのような酷い事件が減るように思います。ですが、それは政治家としても簡単ではないように思います。だからこそ、今の私たちにできることは、友達を誘ってボランティアに参加したり、募金活動をすることで少しでも役に立てるのではないかと考えます。  この話を聞いたみなさんも自分に何ができるのか一度考えてみてください。自分では簡単なことでも相手にとっての助けになることがあると思います。恥ずかしがらずに一緒に、一歩踏み出してみませんか。 ---------- ポスター作品 福崎小学校3年(当時)なかの みあ 田原小学校2年(当時)まつおか そうすけ 福崎西中学校3年(当時)ひの りこ 福崎東中学校3年(当時)あらせ ほのか ---------- 人権標語 だいじょうぶ やさしいみんなが ついてるよ 福崎小学校5年(当時)うえむら たいが 自分だけの 自分らしさを 大切に 田原小学校6年(当時)はるな その 悪口は おもしろ半分 ゆるされない 八千種小学校5年(当時)いのうえ あすみ その言葉 自分が言われて 傷つかない? 福崎西中学校3年(当時)うえの あゆみ