広報ふくさき 令和6年(2024年)6月号 19ページ ---------- 第三弾 遠野のお祭り  福崎町の友好都市、岩手県遠野市です。令和6年8月で福崎町との友好都市共同宣言から、10周年を迎えます。  誌面をお借りして、4月号から始まった全5回の連載です。今回は第三弾となります。 四季折々を彩るお祭り  古来、1年の間にはケの日(日常)のほかにハレの日(特別な日)がありました。ほとんどは自然歴をベースにした節季に対応するもので、作物の成長に合わせた農作業の大切な節目でした。民族文化と農村習俗を大切に守ってきた遠野市では、今もなお古式のお祭りが数多く開催されています。 遠野春まつり(春)  4月中旬からゴールデンウィークにかけて開催される遠野春まつりをご紹介します。メインイベントは、寛永4年(1627)に、現在の青森県八戸市から、盛岡藩の筆頭家老南部直義公が、遠野に入部(所替え)した様子を再現した入部行列です。当時の遠野は藩境を守る戦略的拠点であったため、南部氏の入部と共に、盛岡に次ぐ規模の城下町を形成していきました。  また、南部氏が本拠地とした鍋倉城(現鍋倉公園)には多くの桜が植えられており、遠野春まつり期間にライトアップされた夜桜は、一見の価値があります。 写真=遠野春まつりの入部行列 遠野ホップ収穫祭(夏)  遠野ホップ収穫祭は、ホップの収穫時期である8月に、収穫を祝って開催しているお祭りです。市内にあるクラフトブルワリーのビールや遠野の食材を使用したフードメニュー、アーティストライブも楽しめるビアフェスティバルです。  このイベントは、遠野市、遠野ホップ農業協同組合及びキリンビール鰍フ三者の連携により運営されており、栽培開始から60年を超える遠野の特産品であるホップによる観光振興と農業振興につなげていくことを目的とした官民一体の取組みであり、交流人口の拡大と地元食材の消費拡大にも寄与しています。  昨年は、新型コロナウイルス禍を乗り越え、4年ぶりに開催され、二日間で約9000人の来場がありました。大盛り上がりの遠野の夏のビールフェスに参加してみませんか? 写真=遠野ホップ収穫祭 日本のふるさと 遠野まつり(秋)  遠野市で、最も大きなイベントが、稲刈り前の豊作を願いながら、50年以上続く日本のふるさと遠野まつりです。  遠野まつりの魅力は、暮らしに根付いた多種多様な郷土芸能団体が一同に集結する迫力、華やかさです。毎年60以上の団体が集い、自然と人との密接な関わりを表現する「しし踊り」や、五穀豊穣を祈る「田植踊」等、遠野の歴史ある芸能の数々が披露されます。他にも、「南部ばやし」、「さんさ踊り」、「神楽」等が色鮮やかな衣装をまとって踊られ、神輿が繰り出し、遠野八幡宮境内の馬場では流鏑馬が奉納され、その賑わいと華やかさはまさに「芸術の祭典」です。  日本のふるさと遠野まつりは、一説には市民の約半分が郷土芸能の演者として参加していると言われています。観ている市民より踊っている市民のほうが多いのではないかと思うほどの熱狂っぷりです。  一日目は、中心市街地を会場に日中から夜まで郷土芸能のねり歩きが行われます。日中の踊り、夜ライトアップされた中の踊り共に、それぞれの美しさがあります。  二日目は、遠野八幡宮を会場に郷土芸能や流鏑馬の披露が行われます。ご来訪の際は、お宿をご準備のうえ、お越しください。 写真=日本のふるさと 遠野まつり 流鏑馬 遠野どべっこ祭り(冬)  最低気温がマイナス20℃に達することもあるほど、遠野の厳しい冬。  この厳しい冬に、馬と暮らした茅葺屋根の南部曲り家を会場に、どぶろくを飲みながら、郷土料理、語り部による昔話及び神楽鑑賞を楽しむイベントです。曲り家の中は暖かいので、ご安心ください。 写真=遠野どべっこ祭り  今月は遠野のお祭りをご紹介しました。次号は、遠野の産業をご紹介いたします。 (遠野市役所観光交流課)