広報ふくさき 令和7年(2025年)1月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- 高齢者問題について 福崎東中学校1年 よしき そう  最近、高齢者問題のニュースが増えてきています。その中で、ぼくが気になっている問題があります。それは、高齢者の孤立化問題です。現在、六十五歳以上の一人暮らしの人数は、七百万人を上回っています。ぼくのおばあちゃんもその内の一人です。  おばあちゃんは、今年七十九歳ですが、一年前までは家族五人で、車に乗って遊びに行くことができていました。しかし、昨年の三月ごろに、おばあちゃんが糖尿病になってしまい、今は入院と退院を繰り返しています。おばあちゃんが家にいる時、お父さんとお母さんは、仕事や家の用事でなかなか世話をする事が出来ません。どうしようかと悩んでいた時に、「訪問ヘルパーさんに助けてもらう」、という案がでました。そして現在、二人のヘルパーさんが、おばあちゃんの家に来てくれています。  ヘルパーさんの具体的な仕事は、高齢者や障がい者の自宅を訪問し、食事・排せつ・入浴・家事などの身体介護を行うことです。そして、利用者さんが快適な生活が送れるように、サポートすることです。おばあちゃんの家にも、ヘルパーさんが来て、煮物を作ったり、部屋のそうじやお風呂の見守りなどをしてくれます。その様子を目にしたぼくは、 「ヘルパーさんがいるだけで、こんなに家族とおばあちゃんが、安心できるんだなぁ。」 と実感しました。  月日が流れ、おばあちゃんが、一人で出来ることが少なくなってきました。ヘルパーさん以外にも、だれかの手を借りなければ、生活することが難しくなってきたのです。  そこで、訪問看護師さんにも、おばあちゃんの見守りをお願いすることにしました。訪問看護師さんの具体的な仕事は、自宅を訪問し、病気の方に応じた看護を行うことです。健康状態の悪化防止や、回復に向けての支援をし、状況によっては、主治医の指示を受け、病院と同じような医りょう処置もしてくれます。  ある日、夜中の一時ごろ、おばあちゃんが、高熱とけんたい感で苦しんでいました。おばあちゃんの家の近くに住んでいる、ぼく達家族がかけつけましたが、どうすることもできません。 「どうしよう。訪問看護師さんに来てもらおうか。」 「いや、でもおそい時間だし、電話して相談だけでもさせてもらおうか。」 と、途方に暮れました。  家族の話し合いで、訪問看護師さんに電話をすることにしました。遅い時間にも関わらず、親切ていねいな対応で、不安を和らげてくれる言葉がけをしてくれました。そして電話を切った後、おばあちゃんの家を訪問してくれました。夜中にも関わらず、看護師さんが来てくれたのです。看護師さんが来てくれて、心の底から安心したのをよく覚えています。  おばあちゃんは一人暮らしですが、近くにぼく達家族がいたり、親せきの家があったりと、いざという時は、助けに行くことができます。でも、誰の助けも借りることができず孤立し、さみしい思いをしている高齢者の方が、たくさんいると思います。小学生のころ、何度か一人暮らしの高齢者の方に、手紙を書いたことがあります。その時は、 「なぜ手紙を書くのだろう。手紙をもらってうれしいのかな。」 と、思いながら書いていました。しかし、今回おばあちゃんが病気になり、訪問ヘルパーさんや看護師さんに、あたたかく寄りそってもらい、笑顔になるおばあちゃんを見ました。もしかしたら、ぼく達が書いた手紙で、笑顔になった高齢者の方が、いたかもしれないと思いました。  ぼく達の年齢では、高齢者の孤立問題を解決することは難しいです。しかし、困っている人達に「寄りそって、心を軽くすること」は、出来ると思います。そうすることで、もしかしたら、普段悩んでいることを、少しずつ話してくれるかもしれません。  ぼくも、今までいろんな人達に支えられ、寄りそってもらったことがあります。なので、今度は寄りそう側で、誰かを助けたいと思っています。 ---------- ポスター作品 福崎小学校1年 まえだ てるき 高岡小学校1年 やまもと しずく 福崎西中学校2年 すぎもと あおい 田原小学校2年 そうだ あやの ---------- 人権標語 ありがとう 友だちうれしい 大事な言葉 福崎小学校4年 やなせ このか みんなでね ともに進もう 今からさ 田原小学校4年 まつおか れいら SOS 言える場所を 作ろうよ 八千種小学校6年 やまおか めい ありがとう 勇気優しさ 平和の輪 福崎西中学校3年 あづみ りあ