広報ふくさき 令和7年(2025年)3月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 ---------- 人権作文 思い出のランドセル 福崎東中学校2年 おおいし りゅうた  私が、小学校を卒業した時の話です。六年間使用してきた、思い出が詰まったランドセルをどう「処分」するか、母と話し合いをしました。その中で、次の五つの案が上がりました。  一つ目の案は、そのまま家で保存する。二つ目の案は、ゴミとして処分する。三つ目の案は、私の中学入学と同時に、小学校に入学する弟に、お下がりとして使用してもらう。四つ目の案は、ランドセルをリメイクし、財布等の違う形で使い続ける。五つ目の案は、他の国に寄付するです。  一つ目の案は、「処分」について話しているのに、「保存」ということで却下になりました。二つ目の案は、六年間の思い出のランドセルをゴミにしてしまうことは悲しくなり、却下しました。三つ目の案は、弟が嫌がり、新しいランドセルを買うことになったので却下になりました。残りは四つ目と五つ目の案です。四つ目の案は、思い出のランドセルを違う形で使えることが、とても魅力に感じたので候補に残しました。問題は五つ目の案です。  五つ目の寄付をする案は、母が出したので、どういう事か分からず、インターネットで調べることにしました。「ランドセル・寄付」で検索すると、「役目を終えたランドセルが、アフガニスタンで平和の象徴になっていた!」という記事を見つけました。アフガニスタンでは、女子の就学率、識字率がとても低い状態にあります。ランドセルを贈ることによって、女子の就学率の向上につながり、子どもたちが学校へ通うきっかけ作りとして、役立てられているということが分かりました。  日本で生まれ育った私には、女子の就学率が低いということが想像できませんでした。なので、アフガニスタンという国について、どんな国なのか気になり、調べることにしました。  アフガニスタンは、アジア大陸の中央に位置し、イランやパキスタンなど六ヵ国に囲まれた内陸国です。世界最貧国の一つで、アジアの中で乳児死亡率は最も高く、識字率が最も低い国です。識字率の男女差が大きく、イスラム社会における男女差別の結果だと言われています。  私は日本に生まれ、義務教育として学びの機会を保障された環境が当たり前です。そんな中、勉強が嫌になりそうなことがありますが、自分の周囲に男女関係なく、読み書きができない子はいません。入学する時には、新しい必要な学用品を揃えてもらうのも当たり前です。そして、その必要な学用品が不要になれば、処分することを考えられる環境です。  しかし、アフガニスタンの子どもは、産まれてからすぐに命の危機にさらされます。また、学習をする機会を与えてもらえない環境が当たり前で、日々貧困にさらされています。きっとその中には、学習の機会を与えてもらうことで、将来的に母国や、世界を変えることができる、とても優秀な人も出てくると思います。  ただ、私の力ではアフガニスタンの現状を変える力はありません。しかし、私が使用していたランドセルを贈ることで、学習の機会が得られる子どもがいるかもしれません。そう思うと、五つ目の「他の国にランドセルを寄付する」という案を採用したいと思いました。  母に話すと、私の案に賛成してくれました。そして、ランドセルをアフガニスタンに贈る手続きをすることができました。予定通りにランドセルが贈られたのであれば、昨年の十一月にアフガニスタンに届けられ、誰かの手に渡っていることと思います。私の六年間の思い出のつまったランドセルとともに、新しい地で、思い出を新たに作ってくれる子どもがいると思うと、とても嬉しく感じました。それと同時に、世界中の子どもたちが、必要以上に命の危機にさらされることなく、当たり前に男女平等に、学習の機会が得られる世界になることを、祈らずにはいられません。  私が当たり前と思いながら過ごす毎日は、当たり前ではないと、知ることができました。学べる幸せに感謝しながら、これからの中学校生活も一生懸命送っていきたいと思います。 --------- ポスター作品 福崎小学校1年 そがべ ゆえ 田原小学校3年 たかい てるひと 八千種小学校2年 ないとう ゆの 福崎東中学校3年 なるみ みう ---------- 人権標語 ありがとう すなおに言えて 心ぽかぽか  福崎小学校5年 よこみね わかな ありがとう だれかのために 助け合い  田原小学校4年 ふるた れい こまらない みらいを作り  バトンする  高岡小学校3年 たていわ ゆな 人はね 自分と比べるために いるんじゃない 福崎西中学校2年 かいがね よりと