広報ふくさき 令和7年(2025年)3月号 9ページ ---------- 福崎町文化財だより(87) 1ページ目 ---------- 令和6年度 埋蔵文化財発掘調査速報  社会教育課文化財係では、町内の各種開発に伴い、埋蔵文化財調査を行っています。令和6年度も引き続き、高岡福田地区ほ場整備事業によって埋蔵文化財が影響を受ける箇所について、記録のための本調査を行いました。また、中播消防署本署建替工事に伴う調査も行いました。 奈良時代の ほったてばしらたてもの 20棟以上を発見!!(福田地区)  令和6年6月から令和7年3月まで、高岡福田地区ほ場整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査を行いました。  令和6年度は福田地区の宮ノ前遺跡で調査を行い、ほったてばしらたてもの などの遺構を確認しました。  宮ノ前遺跡は、七種川右岸の低位段丘面に位置する古墳時代から中世にわたる複合遺跡です。福崎西中学校周辺に遺跡は広がっています。西側に三ノ宮神社が鎮座し、江戸時代に中村という集落があったが、洪水で廃村になったと伝えられている地域です。  今年度の調査区からは、ほったてばしらたてもの 20棟以上、竪穴住居5棟が確認されました。時期は、飛鳥時代から平安時代です(7世紀から12世紀ころ)。 図面=令和6年度の調査箇所  竪穴住居からはカマド跡や土器が確認されています。土器の出土状況から奈良時代(8世紀ころ)の遺構が中心であることが分かりました。  高岡福田地区ほ場整備事業に伴う埋蔵文化財発掘調査は、今年度で終了いたします。今後は調査成果を報告書にまとめ、展示会や広報などでみなさまにお伝えいたします。  これまで調査にご理解・ご協力いただいた関係者のみなさま、本当にありがとうございました。 写真=土器出土状況 みなみたわらじょうりいせき 第62次調査(吉田地区)  令和6年11月から12月にかけて、中播消防署本署建替工事に伴い、工事により影響を受ける部分について埋蔵文化財調査を行いました。  調査の結果、中世(12世紀から16世紀ころ)のものと考えられる ほったてものばしらたてもの などが確認されました。みなみたわらじょうりいせき では、中島井ノ口線の東側を中心に、開発に伴う埋蔵文化財調査数が増加しており、弥生時代(紀元前1世紀から3世紀ころ)や奈良時代の遺構が確認されています。  一方今回の調査地点では、中世の土器片が見つかっていることから、中世にこの地点で人々が生活を営んでいたことが新たに分かりました。今後の調査に期待されます。 写真=現地公開のようす 写真=調査区全景(上が北)