広報ふくさき 令和7年(2025年)8月号 6ページ ---------- ヒューマンライツ イン 福崎町 見守りにありがとう 田原小学校6年(当時)にしはた まこ 「おはよう。」 「いってらっしゃい。」 「お帰り。」  毎日、地域の方が、私たちの登下校を見守ってくださっています。雨や風、雪の日も毎日欠かさず、私たちのことを見守ってくださっています。いつもいてくださるだけで心強くて、何かあった時にはすぐに助けてもらえるだろうという安心感があります。そんな地域の方に、感謝の気持ちでいっぱいです。  低学年のころの私は、あいさつをしない子でした。地域の方があいさつをしてくださっても、えしゃくだけで何も言わずに通り過ぎていました。少し人見知りをするところがあり、とてもはずかしかったからです。地域の方が立っておられると、毎回、どきどきしながら、目も合わさないようにして通りすぎていました。今、考えると何て失礼なことをしていたのだと思います。 「ちゃんと、あいさつをしなさい。」と、母から何度も注意されました。それでも、あいさつをすることはありませんでした。 「おはよう。いってらっしゃい。」 地域の方は、そんな私に対しても、笑顔であいさつを続けてくださいました。  時が経つにつれ、私の心に変化があらわれてきました。あいさつをしようと思うようになったのです。そう思えるようになったのは、地域の方の変わらない優しさのおかげだと思います。 「おはようございます。」 地域の方に初めてあいさつをしたとき、とてもどきどきしました。私にとって、とても勇気のいることでしたが、あいさつをしたことがとても気持ちがよく、うれしかったことを覚えています。  そんな私も六年生になりました。今では、自分からあいさつをすることができています。あいさつをすることが当たり前になった今、毎日の登下校が以前よりも楽しく感じられるようになりました。地域の方とのあいさつのやり取りが、私にとって大切な日常の一部となりました。 「おはようございます。」 と元気よく声をかけると、地域の方の笑顔が返ってきます。その笑顔に励まされ、今日も一日がんばろうという気持ちになります。  地域の方の見守りは、私たちの安全を守ってくださっただけでなく、心の成長にも大きなえいきょうを与えてくださいました。毎日欠かさずに見守ってくださるその姿勢に、私はとても感謝しています。  この経験を通して学んだことは、人と人との関わりの大切さです。あいさつ一つでこんなにも心が温かくなり、安心感を得られることを実感しました。これからもあいさつを大切にし、地域の方への感謝の気持ちを忘れずに過ごしていきたいです。 インターネットを使う上で大切なこと やちくさ小学校6年(当時)なんば こうせい  みなさんは、「インフォデミック」について、考えたことはありますか。これは、二〇二〇年、コロナウイルスが大流行した時に、新しく作られた言葉です。インフォデミックとは、「インフォメーション(情報)」と「パンデミック(感染症の世界的流行)」を合わせて作られた言葉です。その言葉の意味は、「うわさやデマもふくめて、テレビやインターネットの大量の情報が、現実社会に影響を及ぼす現象」のことです。コロナウイルスが広がっていった時、ユーチューブやインターネットで見た「トイレットペーパーが品薄になる」「お湯が予防になる」などのデマ情報やまちがった情報を信じてしまい、トイレットペーパーを買い占めたり、お湯を飲んでしまった人がいたそうです。  また、コロナウイルスに関するまちがった情報のせいで、つらい思いをした人が、たくさんいたそうです。新聞で、「コロナいじめ」についての記事を読みました。コロナウイルスに感染した子どもが、治って学校に行ったときに、「近よるな」「さわるな」という暴言をはかれたり、ばいきんあつかいされたり、さけられたり、無視されたすることがあったと知りました。コロナになりたくてなったわけではないし、もう治っているのにひどいと、ぼくは思いました。まちがった情報のせいで、必要以上にコロナをこわがる人がいたり、コロナにかかった人を差別しても許されるふんいきがあったりしたことが、コロナいじめの原因だそうです。  ぼくも、一度、コロナにかかったことがあります。コロナをこわがる人が多いことは知っていたので、回復して学校に行くときに、とても不安でした。みんな、いつも通りなかよくしてくれるのか、話を聞いてくれるのかなど考えて、悩みました。  けれど、ぼくの友だちは、いつも通り話しかけてくれました。 「だいじょうぶ。」 「久しぶりやな。」 「元気になってよかったな。」 これらの言葉で、ぼくの不安はすっかりなくなりました。  インターネットを通じての情報のやりとりは、しょうらい、ますますふえていくでしょう。だから、インフォデミックは、これからも起こると思います。大切なことは、ふだんからインターネットの情報をしっかり確かめるようにして、正しいかどうか考えることです。そして、何よりも大切なことは、友だちとなかよくし、おたがいを思いやる気持ちを忘れないことだと思います。悩んでいたぼくを、あたたかくむかえ、不安をふきとばしてくれた友だちのように、自分が反対の立場になっても、情報にふりまわされず、相手の気持ちを考えて行動してきたいです。 --------- ポスター作品 福崎小学校2年(当時)にしむら みり 田原小学校2年(当時)ふじわら はやと 福崎西中学校3年(当時)いがらし りの 福崎東中学校3年(当時)きしもと みずき ---------- 人権標語 あゆみよる こころとこころ つうじあう 福崎小学校1年(当時)まえじま あんな それっていいの? 見て見ぬふりは きょうはん者 やちくさ小学校5年(当時)うさきおうた ほっとする みんなといられる 場所がある 田原小学校6年(当時)ほんだ いちか 比べないで みんな輝ける 場所がある 福崎東中学校2年(当時)いまだ りの