広報ふくさき 令和8年(2026年)8月号 9ページ ---------- トライやる・ウィーク総決算 出会い・感動・発見 地域に学ぶ2026トライやる・ウィーク 「トライやる・ウィーク」を終えて 福崎町立福崎東中学校長 とがわ まさる  今年度も6月1日(月曜日)から5日間、町内約170名の中学2年生が「トライやる・ウィーク」として、職場体験活動を実施させていただきました。関係機関のご尽力により、登録頂いている事業所の数が増え、その数は69にまでなっています。事業所の皆様におかれましては、通常の業務に加え、生徒たちのご指導に時間と労力を費やしてくださり、本当にありがとうございました。おかげさまで今年度も大きな成果を上げることができました。  さてこの期間、私はできるだけ各事業所での生徒の活動の様子を見るようにしています。時間に制限がありますので、1つの事業所に滞在した時間はほんの少しだったのですが、普段とは違った生徒の様子を目にすることができ「心」を動かされました。  販売店で笑顔を浮かべながら接客している姿。お客様の喜ぶ顔を想像しながら掲示物をつくっている姿。福祉施設の入居者に寄り添って一緒にパズルを解いている姿。幼児園やこども園で子どもたちに目線を合わせながら一緒に楽しむ姿。指導者の方の指示を真剣な眼差しで聴く姿。どれも貴重な体験で、生徒たちの「心」に、働くことの楽しさや厳しさ、その意義が刻まれたことでしょう。  「トライやる・ウィーク」を実施するに至った経緯として、1990年代に起きた震災や事件があげられます。そして1998年、兵庫県では全国に先駆けて「心の教育」の充実を図るため、県民の参画と協働による「トライやる・ウィーク」を開始します。それから約30年、現在では1990年代には想像できなかったAIが社会に浸透し、その活用の方法が課題となっています。今年度の東京大学入学式の祝辞で、劇作家の のだ ひできさんがAIについて次のように話されていました。 「AIに質問をすれば、莫大な知識から最適解を導き出してくれます。悩み事の相談にも乗ってくれます。しかし、AIには体がありません。体がないから体験ができません。「初恋の切なさ」を知識としては理解できても、その「切ない心」はわかりません。身体に根差した「心」を持たないAIが生みだす答えは、極めて効率的なものになることがあります。AIが情報という名の記憶から犯すであろう誤りに立ち向かえるのは、きっと私たち人間の一見役に立たない道端の記憶なのです。記憶には、「心」が伴っています。時にそれは、思い出とさえ呼ばれます。でも、人の「心」というものが伴っている記憶こそがAIの、より正確で迅速で大量に発信しようとする記憶とは違ったところで大いなる力を発揮するのです。」  「トライやる・ウィーク」での体験活動は、創成期とは違った観点からも大きな意義があると考えられます。  最後になりましたが、「トライやる・ウィーク」の活動を支えてくださった福崎町「トライやる・ウィーク」推進協議会、両中学校区推進委員会、地域の皆様にあらためて感謝申し上げるとともに、来年度以降も引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。 写真=トライやる・ウィークのようす(2枚)