三木家住宅のご紹介
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大庄屋「三木家住宅」とは?
この三木家が、現在の辻川の地に移住したのは明暦元年(1655)で、その由緒によって代々姫路藩の大庄屋をつとめてきた。現在の敷地は約1861平方メートル(563坪)にすぎないが、東に接して代官宿泊施設のあった「ひがしら」の地があり、また前面の県道を挟んで男衆たちが農作業等をし、うまやのあった「向い角」の地があり、その屋敷は練塀をめぐらし広大であった。
しかし大庄屋としての屋敷構えは今なおよく残されている。表門を入ると、右に馬屋をみて大戸口があり、左の玄関を上がると床の間、違い棚、付書院および仏間などのある一連の表座敷となり、客用の湯殿、便所等を付設し、前面を庭園とする。この建物の鬼瓦には元文2年(1737)のへら書きがあるから、あるいはこのころの建設かと思われる。
背面は家族用の諸室があり、6室からなる2階建ての奥座敷、さらに厨子2階つきの離れへと続く。このうち離れは安永2年(1773)の建設で、表座敷は公式の接待場で格式ばらざるをえなかったのにたいして、このほうはもともと私的な部屋であったので、面皮柱を用いるなどかなり数奇屋風の手法を取り入れ、自由な形式となっている。
土蔵造りの蔵としては内蔵、酒倉などが残されており、前者には元禄10年(1697)と正徳3年(1713)、後者には後書きではあるが同じ正徳3年6月棟上の墨書銘がある。その後修理をうけているがかなり古いものであることが知られ、主屋・離れなどともに建設年代が明らかなので、建築学の資料としても貴重である。
なお、当家所蔵の屋敷絵図を見るとこのほかに代官宿泊所、米倉、作業場、木場、納屋、灰部屋などもあったことが知られる。また、江戸時代以降、明治にいたる家具、什器等生活用具が多く蔵されている。
(伊藤ていじ)
三木家住宅図面
三木家住宅図面PDFファイル
- 敷地配置図 (ファイル名:01.pdf サイズ:272.73KB)
- 主屋 平面図 (ファイル名:02.pdf サイズ:148.82KB)
- 主屋 立面図 (ファイル名:03.pdf サイズ:421.16KB)
- 主屋 断面図 (ファイル名:04.pdf サイズ:116.73KB)
- 主屋 屋根伏図 (ファイル名:05.pdf サイズ:119.71KB)
- 内蔵 平面・立面・断面図 (ファイル名:06.pdf サイズ:143.33KB)
- 米蔵 平面・立面・断面図 (ファイル名:07.pdf サイズ:103.94KB)
- 酒造蔵 平面図・断面図 (ファイル名:08.pdf サイズ:119.29KB)
- 酒造蔵 立面図 (ファイル名:09.pdf サイズ:184.34KB)
- 厩・表門 平面・立面図 (ファイル名:10.pdf サイズ:161.08KB)
- 内蔵 米蔵 酒造蔵 厩屋根伏図 (ファイル名:11.pdf サイズ:102.76KB)
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