其の五
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辻川という地名を久しく疑問に思っていたのであるが、辻川を東西に貫いて前之庄をとおり佐用の方へと延びる古い街道に、十字形に交叉して、古く開けた港の飾磨津から北上して生野の方へ達する道のあることが、その由来であると気づくようになった。・・・
堰溝に沿ったあの細い路も、馬が重要な交通機関であったころは、あれで十分だったのである。地蔵堂のある場所も、従って当時は重要な地点であったわけで、山の方へ上り、あるいは川の方へと下るための場所であった。
(故郷七十年 辻川のみち)