絹本着色愛染明王図(町指定重要文化財 絵画)
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縦83.2センチメートル、横35.4センチメートルの絹本着色の一幅です。
愛染明王は愛欲をさとりに転化させる明王で、敬愛法などの本尊として盛んに信仰されました。
愛染明王の顔貌表現は忿怒の表情が抑え気味であり、火焔や宝珠の表現には形式化が見られ、全体的に穏当な作風です。宝瓶の胴部に龍を描くのは特徴的で、滋賀・総持寺本(重要文化財)などの類例が知られます。抑揚が少なく硬い描線、大ぶりな文様、目の粗い画絹を用い、金泥を多用することなどから、室町時代頃の制作と推測されます。
本図は、福崎町内に伝来する絵画の中でも中世に遡る古い作例の一つとして貴重な文化財です。