紙本着色天台大師入定図(町指定重要文化財 絵画)
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縦115.7センチメートル、横72.3センチメートルの紙本着色の一幅で、天台大師智顗(538~597)の入定を描いた図です。
本図の右下色紙形に貞享3年(1686)の年紀と、山門(比叡山)東塔院より寄附されたことを示す銘があります。
また、「廣澄」と記述され、朱文方印で「具慶之印」の落款もあることから、住吉派の祖・住吉如慶の子であり住吉派の二代目で、幕府御用絵師の住吉具慶(1631~1705)の作であることが判断できます。天台大師の入定を描いた作品は本作の他にも東京・寛永寺などにも確認されていますが、いずれも住吉具慶の作です。
本図は作例の少ない天台大師入定図の一つとして稀少であり、また年代や伝来のわかる住吉具慶の作品としても重要な文化財です。