ヤマモモ(町指定天然記念物)
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- ID:4767
辻川地区の鈴ノ森神社境内、拝殿にむかって右側にヤマモモの巨木が枝を広げています。樹高約13m、根元周囲約3.3mで、地上約60cmのあたりでほぼ東西へ分岐して2幹木となっています。このヤマモモは町内最大のもので、町の天然記念物であると同時に保存樹の指定も受けています。
ヤマモモというのはヤマモモ科に属する常緑高木で、雌雄異株で4月ごろ花が咲き、雌株では6月ごろ赤く球形でブツブツのある果実がなります。この実は甘酸っぱく生食します。樹皮は漢方薬として用いたり、褐色の天然染料として漁網を染めるのに使用されたりします。
この鈴ノ森神社のヤマモモは、町内最大の大木であるとともに、柳田國男と深いかかわりをもつことで知られています。
「(略)子どもは年百年中木登りをして居た。それを小言をいつて祟りがあつたといふ話もある。何でも珍しく見ごとな實がなるといふことを聴いて居て、一ぺんもわたしはそれを見たことが無かつた。青くて小さいうちに片端から取つて食べてしまふのだ。私は不器用で、木登りは止められても居たが、あの狛狗さんには何度も乗つて見た記憶がある。」(『孤猿随筆』)
- うぶすなの森のやまももこま狗は
なつかしきかな物いはねども
柳田國男 - うぶすなの杜のやまももふる里は
はかなきこともこひしかりけり
井上通泰
所在地 福崎町西田原1038-7
指定年月日 昭和61年4月1日